【レビュー】読書が趣味のOLがKindle端末を購入してみた【Kindle Paperwhite】

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漫画を紙の本から電子書籍に移行して5年ほど経過する。『進撃の巨人』全34巻も『大奥』全19巻もすべてが片手で持てるiPhoneに収まり、自室の漫画棚をいつでも小脇に抱えて生活しているようなものだ。

だが、活字の本はどうしても目が滑ってしまって読みづらく、なかなか電子化することができなかった。結果、狭い部屋にどんどん古い本が溜まっていき、にっちもさっちもいかなくなってしまった。

そこでずっと気になっていたKindle端末を購入し、約2ヶ月間使用してみたのでレビューを書く。

Kindle端末にはいくつか種類があるが、わたしが使っているのはKindle Paperwhiteの広告なしモデルである。比較サイト等で検討し、2021年10月に発売されたKindle Paperwhiteの第11世代を選んだ。

 

 

メリット

紙と遜色ない読み心地

Kindle端末はE-inkスクリーンというものが使われていて、紙と同じ読み心地であるという。

そうは言っても電子端末なのだから紙とは別物だろうと思っていたが、実際使ってみると思った以上に「紙感」があった。懸念していた画面上で目が滑るようなこともない。

紙の本を電子書籍に移行するにあたって一番の懸念であった部分は問題なく解消された。

 

自分の本棚を丸ごと持ち運びできる

今日はどの文庫本を待とうかと、出かける度に決めるのには意外と時間がかかる。家を出る間際に「今日はこの作者の気分じゃない」「これはついこの前読んだ」などと本棚から出したりしまったりして、結局時間切れで決まらないこともある。

その点Kindleならば、何も考えずに端末だけを持ち、あとは読む時にゆっくり決めることが出来る。読み始めてから、「やっぱり今はこれじゃない」と思ったとしてもすぐに違う本が読める。これはワガママな読書好きには大きなメリットである。

 

読書量が増える

軽く、持ち出しやすく、読みやすいことと、電池の持ちもいいので毎日充電する必要も無く、今ではいつでもKindle端末を持参している。

通勤電車のなか、スタバでラテを飲むとき、寝る前の布団の中など、iPhoneで無駄なSNS徘徊をしていた時間を読書に充てるようになった。

今までは「今日は本を読もう」と決めてかかって読書していたので、せいぜい月に2~3冊しか読めていなかった。Kindle端末を購入後は、ちょっとした時間に少しづつでも読めるので、月に10冊程度読むようになった。

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デメリット

本を持ったときのトキメキが無い

紙媒体の本の質感、新刊の匂い、装丁の美しさ、考えられたサイズ感はどれも電子書籍には無いものだ。Kindle端末はカラー非対応なので、本の表紙すら白黒なのは仕方がないが少々味気ない。当然、カラーで無いと意味のない雑誌や、カラー口絵のある漫画はKindleには適していない。

わたしは本から得られるトキメキ感を享受するため、いまだに本屋には足を運んでいる。単行本の装丁や帯、字体を確かめ、新刊をひととおりチェックし、kindleで購入する本を決めている。kindleではそれらの本特有の良さは得られないが、本屋で実体験をさせてもらい気持ちを満たしている。

 

残りページの余韻が無い

面白い小説を紙の書籍で読んでいて、左手で残っているページの感触を確認し「この話はあとこれだけで終わってしまう、まだまだ読んでいたい」と感じるのは幸福なことだが、Kindleではそれができない。幸福の厚みは電子書籍の中には無い。

設定すれば「読書の進捗状況」という項目で今読んでいるページが全体の何%にあたるところなのかという表示をすることはできるが、紙の書籍と比べるとなんとも情趣のないものだ。

 

動作がもっさりする

初めてのKindle端末なのでわたしは以前の世代との比較ができないが、Paperwhite第11世代の動作性は大幅に向上しているらしい。

それでもiPhoneの反応に慣れきっている人が初めて使うと、もっさりしてもどかしく感じる部分はあると思う。

Kindleには「ハイライト」という機能があり、文中の好きな部分を長押しすると紙の本にラインマーカーを引くようにしるしがつけられる。後からハイライトの一覧をまとめて見られるし、ハイライトした文章をそのままメールで送ることもできる。

大変便利な機能なのだが、なかなか思った通りの箇所にハイライトを引けず、余計なところまではみ出してしまったりする。これはわたしが不器用なだけかもしれないが、スマートフォンでの操作とはやはり異なる。

 

まとめ

KindlePaperwhiteを購入した結果、読書が今までより身近になった。読書は好きだがなかなか読む時間が取れない、最近めっきり読書量が減ってしまった、という人にはかなりオススメできる。

本の断捨離をしたいという人は思い切って全て電子書籍に切り替えるという選択も良いかと思う。注意点は、電子書籍に対応していない作家がいることだ。漫画の場合は「スラムダンク」が電子化されていないことは既に周知の事実だが、同じように理由や信念を持って電子化を進めない作家もいるのだと、改めて認識した。わたしは一番好きな作家が一冊も電子化していないということをKindle購入後に知ったので、事前にAmazonの購入ページで確認しておくのも良いと思う。

振り返ると、幼少期からの趣味は読書だけで、大学では日本文学科で日本の名作を読むことを4年間続けていたのにも関わらず、社会に出て働き出すと読書の時間をとんと取らなくなってしまった。

Instagramで好きなブランドの新作を眺めること、Twitterで見知らぬツイート主のネタツイートでうす笑うことはそれほど多くの時間を割かなくてもいいことだったのだ。それよりも本を読み、初めての考えにふれたり、自分を顧みたり、気がついたりしたい。自分がそうしたいとわかったことが、Kindle端末を購入していちばんよかったことかもしれない。